UX Yokohamaではイベントのオンライン化に伴い、ツールとして「オンラインホワイトボードmiro」を使用しています。miroは模造紙と付箋紙を使ったワークショップをオンライン化する用途に非常に適しているツールですが、いくつか使いやすさに関わるトラブルも出ています。本稿ではよくあるトラブルと対策をご紹介します。
ホワイトボードのサンプル
まず確認のために以下のURLを開いてください。もしも既にmiroアプリがインストールされていればmiroアプリが起動します。そうでない場合はブラウザでmiroホワイトボードが表示されます。
トラブル「miroにアクセスできない」
現象:
miroにアクセスできない
原因:
(1)企業内LANのネットワークセキュリティ設定によりmiroへのアクセスが遮断されているため
(2)ゲストの編集権限が<閲覧不可>に設定されているため
(3)ホワイトボードのオーナーがmiroの無料会員であり、且つ、他の参加者がmiro会員でないため
対策:
企業内LANのネットワークセキュリティ設定によりmiroへのアクセスが遮断されているため
企業内LAN設定が原因の場合は、残念ながら社外からアクセスする以外の対策はありません。なお、通信回線の不良で一時的にアクセスできていない可能性もありますので、miroへのアクセスが遮断されているか否かについてはIT管理者に確認してください。
ゲストの編集権限が<閲覧不可>に設定されているため
miroホワイトボードのURLをクリックするとmiro公式ウェブサイトのトップページに転送される場合、あなたには閲覧権限が与えれられていません。オンラインワークショップの場合は参加者全員が編集可能でなければならないので、それは主催者側の設定ミスということになります。ワークショップの司会進行役に改善を要求してください。
ホワイトボードのオーナーがmiroの無料会員であり、且つ、他の参加者がmiro会員でないため
主催者(ホワイトボードのオーナー)がmiroの無料会員の場合、ホワイトボードを共有できる相手はmiro会員だけという制約があり、非会員に編集権限を与えることはできません。オンラインワークショップの場合、参加者全員にmiro会員であることを要求するのはほぼ不可能です。まず主催者がmiroの有料会員になる必要があります。
トラブル「なにも表示されない」
現象:
miroにアクセスして画面は開いたものの、何もコンテンツが表示されない
原因:
(1)そもそもコンテンツがないため
(2)コンテンツから遠く離れた場所を表示しているため
対策:
そもそもコンテンツがないため
一般にオンラインワークショップの場合は司会進行役がなんらかのコンテンツをホワイトボード上に置いた状態でワークショップを開始しますが、必ずそうしなければならないわけではありません。コンテンツはないのが正しいのかもしれません。コンテンツが表示されない場合は念のためワークショップの司会進行役に確認してください。
コンテンツから遠く離れた場所を表示しているため
miroのホワイトボードは無限の広さがあります。何らかの理由でログイン直後にコンテンツから遠く離れた場所を表示してしまった場合、何もコンテンツが表示されないことになります。そのような場合は、miro画面右下端に折りたたまれているツールバーから[fit to screen]アイコンをクリックしてください。コンテンツのあるホワイトボード中央が表示され表示倍率も適切に調整されます。
トラブル「編集できない」
現象:
miroにアクセスして画面は開きコンテンツも表示されたが、編集できない
原因:
(1)参加者の編集権限が<閲覧のみ>に設定されているため
(2)マウスで操作しているのに設定で<トラックパッド操作モード>と指定されているため、または逆にトラックパッドで操作しているのに<マウス操作モード>と指定されているため
(3)オブジェクトがロックされているため
(4)設定で<ゲストのコピーペースト操作を許可しない>と指定されているため
対策:
参加者の編集権限が<閲覧のみ>に設定されているため
miro画面右上の表示を確認してください。もしも画面右上に<VIEW ONLY>と表示されていれば、あなたには編集権限が与えれられていません。オンラインワークショップの場合は参加者全員が編集可能でなければならないので、それは主催者側の設定ミスということになります。ワークショップの司会進行役に改善を要求してください。
マウスで操作しているのに設定で<トラックパッド操作モード>と指定されているため、または逆にトラックパッドで操作しているのに<マウス操作モード>と指定されているため
動くには動くが意図通りに動かない、不自然である、と感じられる場合、「マウスで操作しているのに設定が<トラックパッド操作モード>になっている」また逆に「トラックパッドで操作しているのに<マウス操作モード>になっている」可能性があります。実際には慣れの問題であるため正しいも間違いもないのですが、自分にとって使いやすい方のモードを選ぶ必要があります。
操作モードを切り替えるには、画面右上のSettingsアイコンをクリックし、メニューの中から[Navigation mode]を選び、ダイアログ上で[Mouse]か[Trackpad]のどちらかを選んで[Apply]をクリックしてください。
オブジェクトがロックされているため
ロックされているオブジェクトは動かすことも編集することもできません。編集できないことは正しい挙動です。
設定で<ゲストのコピーペースト操作を許可しない>と指定されているため
2022年1月のアップデートで、miroの設定は<ゲストのコピーペースト操作を許可しない>がデフォルト値になりました。ゲストにコピーペースト操作を許可したい場合は、初期設定と各ホワイトボード設定の両方を変更する必要があります。
手順:
- miroアプリを起動する
- ホワイトボード一覧画面の左上にある[(グループ名)]ボタンをクリック
- 設定画面の左にある[Permittions]ボタンをクリック
- 設定項目<Board content settings>にて<Team members and users outside this team>を指定
- 設定項目<Default board copying>にて<Anyone with the board access>を指定
- 設定画面の左上にある[GoToBoard]ボタンをクリック
- ホワイトボード一覧画面から任意のボードを選び、右端にあるポップアップメニューボタンより[Share]を選択
- ダイアログの下端にある[Sharing Setting]をクリック
- [Permission]タブをクリック
- 設定項目<Who can copy board content>にて<Anyone with the board access>を指定
- [Done]ボタンをクリックしてダイアログを閉じる
miroは模造紙と付箋紙を使ったワークショップをオンライン化する用途に非常に適しているツールであるため、UX Yokohamaでは今後も継続して利用していきたいと考えています。操作に関するトラブルについては事前説明を充実させて対応いたします。ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。
(2024.10.7追記:最新版の仕様に合わせて一部記述を修正しました)
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